第22章

そのとき、御影怜司は酒井初音の視線を追うように、ふっと目を伏せた。自分の首元――巻かれたマフラーへ。

表情は固いまま。冷えた顔つきで柔らかな布地に指を触れ、居心地悪そうに三村正明をちらりと見やる。

三村正明は即座に察した。

「奥様、冷えますからね。私が御影社長にお願いして、巻いていただいたんです。お身体を大事にしていただかないと」

「もちろん、御影社長が好き好んで首に巻いたわけじゃ――へへへ」

いったんほどけかけた御影怜司の眉間が、また深く寄る。陰りを帯びた視線が、かしこまって立つ三村正明に突き刺さった。

――後半、余計だ。

「……」

三村正明は危険な気配を感じ、背筋を正す。...

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